物権変動について

物権とは、一定の物を直接支配して、利益を受ける排他的な権利の

ことです。この物権が発生し、変更したり、消滅したりすることを

物権変動といいます。物権変動の当事者になろうとするときは、そ

の物件の存在を知ることが必要です。民法では以下の公示方法を定

め、その存在を外部から容易に知ることができるようにしています。

①公信の原則

物権の公示内容を信頼して取引した者を保護するために設けられて

いるもので、公示内容どおりの権利が実際には存在していなかった

としても、公示されたとおりの権利が存在するものとみなす原則で

す。ただし、この原則は、動産の物権変動については認めている

(192条)が、不動産の物権変動については認めていません。つま

り登記には公信力はないことになります。

②物権変動の意思主義

不動産・動産ともに物権変動には、原則として、当事者間の意思表

示だけで足り、登記の移転などの形式を必要としていません。

(176条)例えば、家屋の売買契約を締結した時点で、まだ登記とか

引渡しがなされていなくても、家屋の所有権は売主から買主に移転す

るが該当します。

③物権変動の第三者に対する対抗要件

物権変動により、当事者間ではなく第三者に権利が移動することがあり

ます。第三者に権利が移動した物権に対して、自己の物権であることを

第三者に対して主張するには、対抗要件が必要となります。対抗要件と

は、不動産だと登記(177条)、動産だと引渡し(178条)が対抗要件に

なります。不動産所有権、地上権、永小作権、地役権、不動産先取特

権、不動産質権、抵当権といった不動産に関連する物権は登記がない

と第三者に対抗できないということになります。占有権、留置権、一

般先取特権、入会権は、登記がなくても第三者に対抗できます。

登記により対抗できる第三者の範囲は、当事者および相続人などの一

般承継人以外の者で、登記のないことを主張するにつき正当な利益を

有する第三者とされます。この場合は、善意、悪意は問いません。

④登記がなくても対抗できる者

登記のないことを主張するにつき正当な利益を有しない第三者に対して

は、登記が必要な物権変動に対して、その登記がなかったとしても、自

己の物権であることを主張できます。正当な利益を有しない第三者とは

以下のとおりです。

1 詐欺・強迫によって、登記申請を妨害した者

2 登記を申請する義務を有している者

3 背信的悪意者

4 不法占拠者

5 不法行為者

6 実質的無権利者

⑤二重譲渡と登記

二重譲渡のときは、契約時期の前後に関わらず、先に登記した者が所有

権を対抗できます。(177条)この場合、善意、悪意は問いません。た

だし、背信的悪意者は除かれます。

⑥賃貸不動産の譲渡と登記

他人に賃貸中の不動産を譲り受けた者は、その権利の取得につき登記を

しなければ、賃貸人である地位を賃借人に対抗できません。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です