第2次世界大戦後のドイツを創った首相 アデナウアー

第2次世界大戦後に建国したドイツ連邦共和国(西ドイツ)の初代首相

であるコンラート・アデナウアー(1876年~1967年)。日本では、ド

イツを統一させたビスマルクや第2次世界大戦を引き起こしたアドルフ・

ヒトラーに比べると知名度が低い印象があります。アデナウアーは、ド

イツ帝国ケルンで生まれで、第一次世界大戦中(1917年)に、ケルン市

長に就任し、ヴァイマル共和国時代の1933年まで活躍していました。

ナチス体制のときは、迫害を受けていました。第2次世界大戦後は、アメ

リカ、イギリス、フランスなどの連合国の占領下でキリスト教民主同盟

(CDU)の指導者となります。そして、西ドイツの初代首相になりまし

た。首相になったときの年齢が73歳でした。首相の座を1963年まで務

めてました。第2次世界大戦で国土が廃墟と化し、国が東西に分断され

たドイツを再建させた首相であるので、現代ドイツでは、「最も偉大な

ドイツ人」としてドイツ人に選ばれるほどの人気のある政治家です。ド

イツ人にとっては、アデナウアーは「建国」や「復興」「繁栄」のシン

ボルとしてのイメージが結びついているといえます。敗戦国としてスタ

ートし、連合国の占領下であり、主権も奪われていた西ドイツが、アデ

ナウアー時代に、「経済の奇跡」を起こし、繁栄を享受することでき、

国際社会にも復帰することができたからです。日本で例えたら吉田茂

のような人物といえます。中公新書の「アデナウアー 現代ドイツを

創った政治家」は、アデナウアーの生涯を書いた本です。この新書の

内容によれば、アデナウアーは、ドイツの「西欧化」を実現したとあ

ります。西欧化とは、一つの価値共同体のことだそうです。西欧化は、

内政における自由民主主義体制と外交における西側世界との結合を目

指すことです。前者は、徹底した民主主義を目指すことを意味してい

ます。ナチスドイツのような民主主義の敵に対しては、闘うことを意

味しています。後者は、西ドイツの西側世界との結びつきを徹底的に

やることを目指しました。西側世界と協調したことによって、北大西

洋条約機構(NATO)やヨーロッパ共同体に結合することになりまし

た。戦前ドイツの外交路線は、ロシアやフランスなどの大国間に挟

まれながらもバランスよく外交したり、第一次世界大戦後にイギリス

やフランスを出し抜いてソビエト連邦と手を結んだり、中東欧を自身

の勢力圏におさめようとするのがドイツの外交政策でした。第二次世

界大後のアデナウアー時代では、冷戦時代を背景に西側世界に向く外

交を目指したのでした。それまでのドイツの外交路線が転換した革命

的な出来事と本書には記されています。アデナウアーという人物や第

二次世界大戦後の占領下のドイツを知りたい人には本書をおすすめし

ます。

 

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