占有権について

①意義と効力

占有権は、自己のためにする意思をもって、物を所持することによって

取得します。(180条)占有権は、代理人(占有代理人)によって取得

することもできます。(181条)占有の種類は3つあります。

1.自主占有と他主占有

自主占有は自分自身に所有の意思がある場合であり、他主占有は所有の

意思がないことです。

2.自己占有と代理占有

自己占有は占有者自身が物を所持することであり、代理占有は、本人が

他人(占有代理人)の所持を通して占有権を取得することです。

3.善意占有・悪意占有

善意占有は所有権等の本権がない占有についてのみ認められ、本権があ

ると誤信して占有をしていることであり、悪意占有は本権がないことを

知りながら、占有していることです。

代理占有の成立要件は、占有代理人が物を所持していること、占有代理

人が本人のためにする意思を有していること、本人と占有代理人との間

に占有代理関係があることが成立要件になります。代理占有の消滅原因

は、本人が占有代理人に占有させる意思を放棄したこと。占有代理人が

本人に対して以後自己または第三者のために占有物を所持する意思を表

示したこと。占有代理人が、占有物の所持を失ったことで代理占有は消

滅します。占有権は、登記がなくても第三者に対抗できます。

②占有訴権

占有訴権とは、占有権に基づく物の円満な事実的支配が侵害された場合

にその侵害を排除する権利のことです。占有者がその占有を妨害された

ときに、妨害の停止および損害の賠償を請求して訴える占有保持の訴

(198条)、占有者がその占有を妨害されるおそれがある場合に、その

妨害の予防または損害賠償の担保を請求する訴えをする占有保全の訴

(199条)占有者がその占有を奪われたときに、その返還および損害

賠償を請求する訴えをする占有回収の訴の3つのやり方で侵害を排除

します。占有回収の訴で占有を侵奪した者の特定承継人に対しては、

当該特定承継人が占有侵奪の事実を知っている場合に限り、当該承継

人に対して提起することができます。(200条)なお、占有回収の訴

えにより、占有を回復したときは、占有は消滅しなかったものとみな

されます。(203条但書) 占有保全の訴は、損害賠償の担保を請求

できることに注意すべきです。訴の期間(201条)は、占有保持の場

合は、妨害のする間、または妨害が消滅した後一年以上内に提起する

こと。占有保全の訴の場合は、妨害の危険の存する間に提起すること。

占有回収の訴の場合は、占有を奪われたときから一年以内に提起する

ことなどが訴の期間になります。