担保物件の効力・性質

担保物件とは

担保物件とは債務者が債務を履行できなかった場合に備えて、債権者が債権の回収を確実にするために、債務者または第三者が所有する担保となる物に対して、その価値を優先的に債権の弁済にあてることができる物権をいいます。

担保物件の効力・性質

担保物件には、以下のような共通する効力と性質があります。

①優先弁済的効力

担保物件の本来の意義である目的物から優先的に(他の債権者に先駆けて)債権を回収する効力である。先取特権・質権・抵当権には認められますが、留置権は目的物を留置することが主たる目的なので認められません。

②付従性

債権がなければ担保物件も成立することはなく、また、弁済その他の理由で債権が消滅すれば担保物件も消滅するという性質です。

③随伴性

債権が譲渡されると担保物件もこれに従って移転するという性質です。

④不可分性

債権が全部弁済されるまで目的物全部について担保物件を権利行使できるという性質です。

⑤物上代位性

担保物件は、目的物だけではなく目的物の売却代金、賃料あるいは滅失されたときの損害賠償請求権や保険金に対しても権利行使できるという性質です。ただし、これらの金銭が担保物件設定者に払い渡される前に債権者が自ら差押さえをして担保物件設定者の一般財産に混入することを防ぐことが必要です。この物上代位性は、優先弁済的効力をもつ担保物件に認められる性質であるので、留置権には認めれません。

留置権とは

他人の物(動産および不動産)を占有している者がその物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる担保物件です。(295条)例えば、建物賃借人は建物賃借中に建物の修繕のため必要費を支出した場合には、その必要費の償還を受けるまで、留置権に基づき当該建物の返還を拒否できます。ただし、留置権に基づき建物の返還を拒否している場合に、当該建物に引き続き居住することによる利益(賃料相当額)は、不当利益として目的物の所有者(建物賃貸人)に返還しなければなりません(判例)。なお、債権が弁済期にないときは留置することができず、占有が不法行為によって始まったときは適用されません(295条1項但書、2項)。債権を担保するために他人の物を留置していても、それとは関係なしに債権の消滅時効は進行します。(300条)

留置権者は、留置物より生ずる果実収取権があり、他の債権者よりも優先的に自己の債権の弁済に充当できます(297条1項)。また留置権者には善管注意義務があります。

 

 

 

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