抵当権の意義と性質

1・抵当権の意義と性質

抵当権者は、債務者または第三者(物上保証人)に占有させたまま、不動産を担保として提供を受け、債務が弁済されない場合は、その不動産を競売して得られた代金から他の債権者に優先して弁済を受けることができます(369条1項)。

2・抵当権の設定

抵当権は、債権者と抵当権設定者間で抵当権設定契約を締結することによって生じます。抵当権の目的となるものとして、民法は、不動産、地上権、永小作権を定めます(369条)。 抵当権を設定した後でも、抵当権設定者は、抵当権者の承諾などを得ずに、当該抵当権設定物を自由に使用、譲渡または賃貸することができます。

3・被担保債権の範囲

①抵当権者が競落代金から優先的に、元本の他抵当権実行の費用などについて弁済を受けることができるが、利息その他の定期金は満期となった最後の2年分までと制限されます(375条)。この制限は後順位抵当権者や無担保の債権者を保護するためであるから、そのような債権者などがいた場合には、2年分を超える分も弁済を受けることができます。

②普通抵当権の被担保債権は、現に成立する債権の他、期限付債権、条件付債権など、将来発生する債権でもよいです。判例では、工事終了時に発生すべき報酬金債権全額につき完成前に抵当権を設定することや、保証人の求償権といった将来成立すべき条件付債権にも抵当権の設定を認めています。

③質権の被担保債権の範囲は、抵当権の被担保債権の範囲よりも広いです。すなわち、元本、利息、違約金、質権実行費用、質物保存費用、その他の損害賠償金を担保します。(346条)抵当権のように、利息などについて満期となった最後の2年分に制限されません。

4・抵当権の効力の及ぶ目的物の範囲

①抵当不動産(抵当権が設定された不動産)に付加して一体となっている物(土地の石垣や建物の造作)にも及びます。(370条)

②建物に抵当権が設定された場合には、反対の意思表示がない限り、設定当時から建物に備え付けられていた債務者所有の動産(畳、建具など)にも、抵当権の効力が及びます。(判例)

③土地と建物は不動産として別物件なので、土地に抵当権を設定したときは、抵当権の上にある建物にその権利は及びません。(370条)

従物については、抵当権設定当時までに存在した従物に及びます。また、果実(賃料、地代など)については、被担保債権に債務不履行が生じた後に生じた果実には、抵当権の効力が及びます(371条)。

 

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