代価弁済と抵当権消滅請求 抵当権の消滅時効

①代価弁済

抵当不動産の所有権または地上権を買い受けた買主(第三者)が、抵当権者の請求に応じて売主(抵当権設定者)に支払うべき代価を抵当権者に支払えば、その代価が抵当権者の債権額に不足していても抵当権は消滅します。(378条)

②抵当権消滅請求

第三取得者(所有権を買い受けた者に限る)が、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、取得代価または特に指定した金額を各抵当権に提供して、抵当権の消滅を請求することができます。(379条、382条)   抵当権消滅請求を受けた抵当権者は、その請求を受けた後2ヶ月以内に、通常と同じ手続きで競売の申立てをすることができます。(383条3号、384条)  抵当権者は、抵当権消滅請求の通知を受けた後2ヶ月以内にその申立てをしないときは、第三者取得者の申し出た金額での抵当権消滅請求に応じたものとみなされます。(384条)  代物弁済における保護される第三者は、抵当不動産の所有権を買い受けた買主だけでなく、地上権を買い受けた買主も含まれます。一方、抵当権消滅請求における保護される第三取得者は、所有権を買い受けた者に限られます。主たる債務者、保証人およびこれらの者の承継人は、第三取得者となったとしても抵当権消滅請求をすることができません。(380条)

③抵当権の侵害に対する救済

抵当権者は、債務者または第三者が抵当目的物を損壊するなどの行為をしたために、被担保債権が担保されなくなるおそれが生じた場合には、被担保債権の弁済期前でも、物権としての抵当権に基づいて侵害行為の停止を求めるなどの妨害排除請求をすることができます。さらに、抵当権に対する不法行為を理由として、侵害者に対して損害賠償を請求することができます。 抵当目的物が債務者または第三者によって損傷されても、その価値がなお被担保債権を担保するのに十分なものである場合には、債務者または第三者に対して損害賠償を請求することはできません。抵当権者が損害を受けたとはいえないからです。(判例)

④抵当権の消滅時効

抵当権は被担保債権を担保するために存在する権利であるから、債務者および抵当権設定者に対しては、被担保債権が消滅しない限り、抵当権だけが時効消滅することはないのが原則です。しかし、後順位の抵当権者や抵当不動産の第三取得者に対する関係では、債権が時効の中断で消滅しない場合でも抵当権だけは20年で時効消滅します。(396条、167条2項)

 

 

 

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