抵当権の処分

①転抵当

抵当権者は、他から金融を受けるために抵当不動産を再度抵当に入れることができます。例えば、抵当権者Bが抵当権設定者Aに対する2000万円の売却代金債権のために、Aに対して抵当権を有しているときに、この抵当権をBがCより1500                万円を借りるために、Cへさらに担保に供した場合が転抵当にあたります。                           この転抵当を設定するにあたり、Aの承諾は不要です。ただし、CがAまたは保証人・物上保証人・第三者取得者に対抗するためには、BからAに通知するか、Aの承諾かのいずれかにを要します。(377条1項)

②抵当権の譲渡

抵当権者から無担保債権者に対してなされ、抵当権者と無担保債権者が配当額の範囲内で入れ替わります。(376条1項後半) 例としては、債務者Aの建物を競売して1500万円の代金を得た場合、1番抵当権者Bに1200万円、2番抵当権者Cに300万円の配当になりますが、Bの地位を無担保者D(債権額1800万円)に譲渡すると、Dは1番抵当権者として1200万円を取得します。残りの600万円は無担保のままとなり、Bの1200万円の債権も無担保となります。

③抵当権の放棄

抵当権者から無担保債権者に対してなされ、抵当権者と無担保債権者が配当額の範囲内で同じ立場に立つことになります。(376条1項後半) 例として、1番抵当権者Bの地位を無担保債権者Dに放棄すると一番抵当にある1200万円をBとDの債権額の割合(1200万円:1800万円)で分けることになります。BとDの残りの債権額は無担保となります。

④抵当権の順位の譲渡

先順位の抵当権者から後順位の抵当権者に対してなされ、配当予定額の範囲内で順位が入れ替わります。(376条1項後半) 例として、競売により本来は一番抵当権者Bに1500万円、2番抵当権者Cに2000万円、3番抵当権者Dに競売代金5000万円の残りから1500万円のみ受け取ります。Bが自分の地位をDに順位譲渡すると、競売代金からB・Dが受けられる3000万円を、まずDが債権額2500万円全額、そして残り500万円をBが受けられるように分けます。

⑤抵当権の順位の放棄

先順位の抵当権者から後順位の抵当権者に対してなされ、配当予定額の範囲内で同順位となります。(376条1項後半) 例として、BがDに順位放棄すると、BとDは同順位の抵当権者となり、債権の持分比でわけることになり、同じく競売代金から受けられる3000万円を、BとDの債権額の割合(1500万円:2500万円)で分けます。

⑥抵当権の順位の変更

抵当権者の合意で変更できます。ただし、利害関係人がいるときはその承諾が必要です。順位の変更は登記しないと効力が生じません。

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