人類の出現

1・人類の条件

人類は遠い昔類人猿と共通の祖先から分かれ出たものといわれています。どのような条件を備えたときに人類と呼ばれるのかを説明します。人類と呼ばれるにはまず、道具を制作できるかです。チンパンジーなどが棒などの簡単な道具を使うことはありますが、道具そのものを作ることはできません。道具の制作というのは、手の機能の発達を前提にし、さらに、生活における計画性を必要とします。これらは高度の知能を要求します。道具を用いることによって、人間の活動範囲が大きくなったといえます。もう一つの人類の条件としては、火の利用が上げられます。人類が火を使うことによって、食物を調理したり、寒さを防いだり、猛獣から身を守ったりすることができました。火の利用によって厳しい自然条件に打ち勝って、生存することができました。最後にもう一つ人類の条件としては、言語の使用が上げられます。言語の使用によって複雑で抽象的な事柄を相手に伝えることができるようになりました。また、言語の発生に伴って記憶力が生まれて、思考力も著しく発達しました。記憶力の発達によって、先人の経験や思考の内容が後人に伝えられ、それらが人間を互いに結び付けて社会生活を営むようにさせました。先人の経験や思考だけでなく、祖先から伝えられた文化を継承し、それを次の世代に伝えられるようになりました。                              以上の道具の使用・火の利用・言語の使用が人類の特徴です。

2・人類の発生

最古の人類が発生した地域とされるのはアフリカ大陸だといわれています。更新世に出現し活動した人類は、その骨が化石となって発見されているので、化石人類と呼ばれています。今日までに発見された化石には、①猿人類(アウストラロピテクス)、②原人類(ピテカントロプス)、③旧人類(ネアンデルタール人)④新人類(ホモ=サピエンス)の4つのグループに分けられています。

猿人が、最古の人類です。一見類人猿に似ているが、口の部分の突出が弱く、歯の様子も人類的です。すでに2本足で立って歩いていたらしいです。脳の容積が現在の人類の半分らしく、ゴリラと同じ程度のようです。猿人が登場したのが今から450万年~400万年前と推定されています。

原人は今から150万年前に、登場し、60~50万年前、第2間氷河期のころに活動したジャワ原人北京原人が代表例です。この原人あたりから火の使用が始まったとされています。すでに言語を話し、人間らしい社会生活を営むようになっていたらしいです。このころ人類の居住圏はアフリカ大陸を越えてユーラシア大陸の南部全域に広がりました。かれらは川の近くの丘の上や湖辺に住んでいて、洞穴に住むこともありました。原人の作った石器は、石核石器、剥片石器、打割石器の3種類が現れました。

旧人は今から20万年ほど前、第3間氷河期から第4氷河期の初期にかけて活動しました。代表例は、ネアンデルタール人です。旧人は原人よりも大きく、現代人に近いが、低い前かがみの姿勢などに原始性が残っているそうです。ネアンデルタール人が出現したときは、温暖な気候であったが、第4氷河期の時代になると岩陰や浅い洞穴に住むようになりました。かれらが住んだ洞穴の近くには、穴を掘って死者が埋葬されており、これは宗教的な活動の最古の実例として注目されています。今から8万年ほど前に、旧人は絶滅しました。

新人は現生人類ともいわれ、現在の人類の直接の祖先です。今から4~3万年ほど前、第4氷河期の途中に出現しました。代表例は、クロマニョン人です。このころになると住居が発達して浅い洞穴だけでなく深い洞穴にも住むようになりました。洞穴の中には絵画が描かれ、石器の制作も一段と進歩しました。更新世末期のこうした人類は、まだ陸続きであったベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸にも移動し、オーストラリアにも渡りました。

 

 

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