AIで消える仕事

AIによって消える仕事が出てくる可能性

AI(人工知能)が話題になっている世の中ですが、AIの発展によって暮らしが豊かになることに対する期待もある反面、大量の失業者が発生する可能性もある不安感もあります。AIが話題になるにつれてAIの普及につれて今後消える可能性の高い職業は何なのかという話題も増えました。技術の発展によって既存の仕事がなくなるという現象は18世紀後半に始まった産業革命のころからあったので仕事がなくなるというのは、AIだけの特有な現象ではありません。しかし、産業革命のころとは違いAI革命ではもしかしたら新しいタイプの仕事が生まれにくい可能性もあります。AIの強みは、24時間働けることです。つまり疲れを知らないことです。人の場合、肉体労働でも、頭脳労働でも、何時間もすれば疲労が溜まるので限界があります。膨大な書類の処理作業を長くやるとうんざりするようになります。しかし、AIだったら文句も言わずに正確に単純作業をしてくれます。もうひとつAIの強みは、永遠に成長可能であることです。データーを収集して学習することでバージョンアップを繰り返し、成長できます。こ        れらの強みがAIにあるので、人を使って労働させるよりもAIを使って労働させるほうが効率がいいというわけです。こうなると人を使う新しい仕事がなかなか生まれにくいです。ゼロではないかもしれませんが、産業革命によって新しいタイプの仕事が出たような現象はあまり期待できないかもしれません。

AIで消える可能性の高い職業

AIによって消える職業が増えるというにはAIをめぐる議論で定番の話題です。どんな職業が消える可能性が高いのか調べてみました。電話営業員、不動産ブローカー、経理担当者、保険審査員、データー入力者、タクシー運転手、レジ係、保険営業員、医療事務員、小売営業員、税務申告書作成者などがAIに奪われる可能性の高い仕事です。AIによって奪われやすいのは、ルーティンワークが中心の事務系の仕事です。決まりきった仕事の方がAIに取って代わりやすいというわけです。創造性や交渉力が必要な仕事はすぐにAIが代わりにやるのは難しいです。今後労働者は、高スキルな技術を持つことが求められます。ルーティンワークしかできない低スキルな技術しか持たない労働者は淘汰されることになります。労働者は現在の椅子にしがみつくだけではなく、AIの時代に対応したスキルを身に着けることが今後は必要です。

脱サラで起業は難しい

自分で起業してうまくいくのは難しい

自分が勤めている会社が経営難のために辞める必要があったり、解雇されたり、あるいは、今の会社だと自分のしたいことができないから辞めたりして起業に挑戦しようとするサラリーマンは多いと思います。しかし、起業したがうまく軌道に乗れず結局廃業したり、自転車操業の経営状態だったり、廃業こそしてないものの開店休業状態のままだったりというパターンになる人たちもいます。なぜ、うまくいかない、あるいは失敗してしまうのかを説明します。

思い込み、都合のよい成功パターンばかりを考える

起業する前に失敗あるいはうまくいかなかった場合の最悪のケースを想定しそれに対する対策を考えない人は多いです。自分のアイデアで成功しようとしたり、自分で作った商品を売って成功しようという都合のよい考えばかりで起業に失敗するパターンがほとんどです。自分が考えた商品・サービスは絶対売れると思っていざ売ってみると全く売れず、結局、廃業するはめになってしまいます。自分のアイデア商品が売れない理由は市場での需要がないからです。つまりお客さんからの需要が全くないというわけです。お客さんは何を求めているのか分析して需要にあった商品・サービスを作り出す必要があります。起業するときには自分の思い込むはなるべく捨てるべきです。

過去の経験や成功ばかりに執着してしまう

サラリーマン時代に新規の事業の立ち上げの責任者として経験してその新規事業をうまく軌道に乗せて成功した経験があるのでその延長で起業もうまくいくだろうと考えて始めたが失敗続きでうまくいかない状態であるパターンが多いです。自分が勤めていた時に経験した新規事業の立ち上げの成功が仇になっていることがあります。勤め先の新規事業の立ち上げの成功は自分の力だけでなく周りの協力によってうまくいくのです。つまり、勤め先の会社のヒト、モノ、カネといった経営資源を会社側が提供してくれたから成功するのです。勤め先の会社を辞めて自分で起業する場合、ヒト、モノ、カネといった経営資源が全くない状態で始めなければなりません。また自分が勤めていた会社の常識になじみ過ぎて他の業界の常識や習慣の知識がなかったりして戸惑うこともあります。会社を立ち上げた後いざ自分の作った商品を売り込もうと飛び込む営業をしたが門前払いにあうのがほとんどです。サラリーマン時代に優秀だった営業マンが独立して起業したら、門前払いにされることが多くうまくいかないことがありますがその理由は、信用がないからです。営業しに来た人がどんな人かわからない、会社の実績が乏しく、聞いたこともないから警戒されて相手にされないからです。起業し始めたころは自分は信用力がないことを自覚する必要があります。

 

 

第一次世界大戦時のドイツの食糧事情 

今回紹介する本は、「カブラの冬 第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆」です。この本は、第一次世界大戦期のドイツの食糧事情を解説している本です。第一次世界大戦が始まるとドイツでは、1916年あたりから食料事情が悪化して、飢饉に陥りました。中立国から食料や肥料、飼料などが輸送されるルートがイギリス海軍によって海上封鎖されたことが原因の一つです。海上封鎖されたドイツはこれに対抗できるだけの艦隊を迅速に動員できませんでした。イギリス海軍による海上封鎖だけで食糧事情が悪化したわけではありません。戦時中の食糧政策の誤りが原因で飢饉状態に陥ってしまったとこの本では解説しています。

食糧輸入大国だったドイツ

パン用穀物や飼料はアメリカ、カナダ、アルゼンチンなどから輸入しており、チリからはチリ硝石、ペルーからグアノ(海鳥の糞の堆積物)を輸入していました。チリ硝石とグアノはいずれも肥料の原料になるものです。痩せた土地が多いドイツでは農地の生産性を保つのに重要な物でした。主食の原料である小麦もアメリカ、ロシア、アルゼンチン、カナダ、ルーマニアから輸入していました。第一次世界大戦が始まると、ロシアがドイツの敵国になり、アメリカ、カナダ、アルゼンチンの小麦はイギリス海軍の海上封鎖によって輸入量が激減しました。中立国であったルーマニアも、1916年8月17日に連合国側に加入したため輸入が途絶えました。戦争が始まる前に食糧の輸入ルートが封鎖された場合の有効な対策を想定しないままドイツは戦争に突入してしまいました。

農業生産力の減退

戦時中のドイツの穀物やジャガイモなどの生産量が減少しました。農業の生産力が減少した理由は畜力、人力、肥料の不足が原因でした。農作業にはまだ馬や牛などを使う必要がありました。ドイツでは英米ほど農業の機械化が進んでいませんでした。戦争が起こると100万頭の馬が軍馬として徴発されました。不足した畜力を機械が代わりの動力として期待されましたが機械の材料が兵器生産に回されるのが優先されたためにそれも困難でした。人力は、人手不足のことを指します。農作業の現場にいた人手が軍隊に徴兵されたために農村の労働力が減少しました。人が減ると、土地は深く耕されなくなり、種子の生育が悪くなります。生育中の管理も行き届かなくなります。このため、生産力の減少に拍車をかけました。肥料の減少も致命的でした。土壌養分の三大要素である窒素、リン酸、カリのうちカリ以外は、不足していました。窒素とリン酸は、輸入に頼っていました。窒素は、空気中の窒素を人工的に固定する技術によって人工的に作ることができるようになりましたがこの技術が火薬生産に転用されたため肥料の生産は増えませんでした。これらの原因によって農業生産力は減退したのでした。

食糧の悪化によって治安悪化、そして敗戦に向かう

イギリス海軍の海上封鎖やドイツ政府の食糧政策の失敗によって、ドイツ国内は飢饉になりました。食糧の不足によって闇市が発生したり、暴動が頻発したり、青少年の犯罪増加や栄養失調による餓死が増加しました。やがて食糧の不足による不満がドイツ革命を起こす原因の一つとなり、そして敗戦へと繋がることをこの本では締めくくています。

 

カブラの冬―第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆 (レクチャー第一次世界大戦を考える)

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弁済

売買契約において売主が目的物を引き渡すとか、買主が代金を支払うことを弁済と言います。弁済がなされると、債権は目的を達して消滅します。

①弁済の提供

原則として、債務の本旨に従った現実の提供が必要です(493条)。例外として、あらかじめ債権者が受領を拒否している場合、債務者の履行につき債権者の行為を要する場合には、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足ります。弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書(受領書など)の交付を請求することができます。(486条)債務者は、弁済の時から、債務の不履行によって生ずべき一切の責任を免れます。(492条)

②目的物の現状引渡し

不動産の売主の債務のように、特定物の引渡しを目的とする債務の場合には、債権が成立してから引渡しをするまで善良な管理者の注意義務を負います。その注意義務をしていれば(400条)、たとえ引渡しの時までに目的物が債務者の責任でなく破損したとしても、そんままの状態で引渡せばよいです。(483条)破損の原因が債務者の責任よる場合には、債務者の債務不履行となり、損害賠償の責任を負います。

③弁済の場所

弁済の場所は、通常当事者間の意思表示あるいは取引上の慣行で定まります。それでも定まらない場合には、以下の場所で弁済しなくてはなりません。(484条)

1・特定物の引渡しの場合は債権発生の当時その物が存在していた場合

2.特定物の引渡し以外の給付(代金債務など)の場合は弁済するときの債権者の住所(持参債務)

④弁済の費用の負担者(485条)

弁済の費用の負担者は以下の通りです。

1・特約による

2・特約がないときは、債務者が負担する

3.債権者の住所移転などによる弁済の費用の増加分は、債権者が負担する

⑤弁済する者

弁済する者は、以下の通りです

1・債務者

2.第三者(第三者の弁済、474条)

2.の第三者は、自分がなんら債務を負担していないにもかかわらず、自分の名において他人である債務者の債務を弁済することが認められます。(474条1項本文)債権者にしてみると、給付が実現されて債権の目的を達することができるならば、誰が給付するかは、それほど重要なことではないからです。

第三者の弁済が許されない場合は以下の通りです。

・債務に性質が第三者の弁済を許さない場合(474条1項但書)

・当事者が反対の意思を表示した場合(474条1項但書)

・第三者に法律上の利害関係がなく、かつ、債務者の意思に反する場合(474条2項)。これに反し、法律上の利害関係のある第三者は、債務者の意思に反しても弁済することができます

法律上の利害関係のある第三者の例は、以下の通りです。

・保証人(連帯保証人・物上保証人)

・担保不動産の第三者取得者

・借地上の建物の賃借人

単なる親族や友人は、法律上の利害関係人のある第三者とは言えません。

⑥債権者でない者に対する弁済が有効とされる場合

1・債権の準占有者に対する弁済

債権の準占有者とは、例として、債権者でないにもかかわらず、預金証書その他の債権証書と印章を所持し、いかにも債権者であるような振舞いをする者をいいます。このような者に対して弁済者が善意・無過失でした弁済は、有効とされる(478条)。弁済における取引の安全を図るためです。

2.受取証書の持参人に対する弁済

受取証書の持参人が弁済受領の権限を有していなくても、弁済者が善意・無過失でその者に対してした弁済は、有効とされます。(480条)

⑦代物弁済(482条)

本来の給付に代えて、他の給付をすることによって債権を消滅させることを目的とする債権者と弁済者間の契約をいい、債権者の承諾があるときは有効な弁済となります。

⑧弁済の充当(488条)

1.債務者が同一の債権者にいくつかの債務を有している場合、弁済した給付で債務の全部を消滅させることができないときは、弁済者は給付時に、どの債務に充当すべきか指定することができます。

2.弁済者が指定しないときは、債権者(弁済受領者)は、受領時に、弁済された給付をどの債務に充当すべきか指定することができます。ただし、弁済者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、債権者の充当はその効力を失うことになります。

債務者が負担する債務に利息が生ずべきものであるときに、弁済者の弁済額が債務の全部を消滅させることができないときは、まず、利息に充当しなければなりません。(491条1項)

⑨供託(494条)

弁済者が弁済の目的物を債権者のために供託所に寄託して債務を免れる制度をいいます。

供託原因には以下の3つがあります。

1.債権者が弁済の受領を拒んだとき

2.債権者が弁済を受領することができないとき

3.弁済者が過失なく債権者を確知することができないとき

 

 

 

債権の譲渡

①債権の意義

債権譲渡とは、債権をその同一性を保ったまま移転することであり、譲渡できることを原則としますが、以下のことはできません。

1.債権の性質上譲渡が禁止されているとき(466条1項但書)

2・債権者と債務者との間で、譲渡禁止の特約をしたとき

ただし、この特約を知らずに債権譲渡契約をした第三者(善意の第三者)に対しては、譲渡禁止の特約を対抗することができません(466条2項)

債権譲渡は、譲渡人(債権者)と譲受人との間でなされた債権譲渡契約によって行われます。

契約時点ではまだ発生していない将来債権であっても、発生原因や金額などで目的債権を具体的に特定することができれば、譲渡することができます。したがって、譲渡時点でその債権発生の可能性が低かったとしても、譲渡禁止の効力を直ちに否定するものではありません。(判例)

②指名債権譲渡の対抗要件

指名債権とは、特定人を債権者とする債権である。その債権譲渡を受けた譲受人が、その権利を主張するためには、以下のような要件が必要です。

1.債務者に対する対抗要件

・譲渡人から債務者への譲渡通知

・債務者の承諾

のいずれかが必要です(467条1項)。ただし、前者については、譲受人が譲渡人の代理人となって通知しても差し支えはありません。後者の債務者の承諾の相手は、譲渡人または譲受人のいずれかでもよいです。

2.債務者以外の第三者に対する対抗要件

債務者以外の第三者に対抗するためには、債務者に対する対抗要件である譲渡通知または承諾が、確定日付のある証書(内容証明郵便など)によって行う必要があります(467条2項)が、その場合に、債権が二重譲渡された場合の譲受人相互の優劣は、以下の通りになります。

・譲渡人から債務者への譲渡通知の場合は、その通知が債務者に到達した日時の先後

・債務者の承諾の場合は、債務者の承諾の日時の先後

また、債権が二重譲渡された場合に、それぞれについて確定日付のある譲渡通知がなされた場合の譲受人相互の優劣は、確定日付の先後ではなく、確定日付のある通知が債務者に到達した先後で決められます。

確定日付のある証書での譲渡通知・債務者の承諾があったとしても、債務者以外の第三者に対抗することができないものとして、主に以下のようなものがあります。

・債権者代位権(432条)によるもの

・指名債権譲渡の予約によるもの

3・譲渡通知の効力

譲渡通知をしただけにとどまる場合(債務者の承諾がない)には、債務者は、譲渡人に対して生じた事由(弁済・取消・解除・相殺など)をもって譲受人に対抗することができます。(468条2項)

4.債務者の承諾の効力

債務者が意義をとどめないで債権譲渡の承諾したときは、譲渡人に対抗することができた事由があったとしても、これをもって譲受人に対抗することができなくなります。(468条1項)つまり、弁済などによって譲渡人に対する債権が消滅していても、その消滅をもって譲受人に対抗することはできないことになります。なお、譲渡人に対抗することはできます。

 

 

保証債務の付従性、随伴性、補充性、抗弁権

①保証債務の付従性

主たる債務と保証債務との間には主従の関係があります。例えば、保証人の負担が債務の目的や態様の点で主たる債務者の負担より重いときは、主たる債務の限度に減縮されます。(448条) 保証債務は、主たる債務と法的運命を共にするします。例えば、主たる債務が無効のとき、取り消されたとき、また、主たる債務が弁済によって消滅した場合には、保証債務は当然に消滅します。

②保証債務の随伴性

保証債務は従たる債務であるから、主たる債務と同じ動き方をします。例えば、債権がAからBに譲渡されると、保証債務もBに負うことになります。

③保証債務の補充性

保証人は、主たる債務者が弁済しない場合にはじめて保証人が弁済すれば足ります(446条)。保証債務は補充的なものです。以下の2つの抗弁権に表れています。

1・催告の抗弁権

債権者が主たる債務者に請求せずに直接保証人に請求してきた場合、保証人は、まず主たる債務者に請求してくれと抗弁できます。(452条)ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けていたり、行方不明の場合には、抗弁権は認められません。

2・検索の抗弁権

債権者がいきなり保証人の財産に対して強制執行をしてきたときに、保証人は、まず主たる債務者の財産に対して強制執行してからにしてくれと抗弁することができます。(453条)ただし、主たる債務者に弁済の資力があり、しかもその執行が容易であることを証明する必要があります。

④保証人のその他の抗弁権

1.時効

主たる債務者が時効で消滅しているときは、保証人は主たる債務の消滅時効を援用することができます。(判例)したがって、その場合には、保証債務も消滅していると抗弁できます。

2.同時履行

保証債務の付従性により、保証人は、主たる債務者の有する同時履行の抗弁権を援用できます。

3・相殺

保証人は、主たる債務者が債権者に対して有する反対債権による相殺をもって債権者に対抗することができます。(457条2項)

⑤保証人の求償権

保証人が債権者に弁済すると、主たる債務者に対して求償することができます。これを保証人の求償権といいます。(459条~465条)主たる債務者の委託を受けずに保証人となった者が弁済した場合でも、一定の限度があるが、主たる債務者に対して求償することができます。(462条) 物上保証人が債務者の債務を弁済したときは、債務者に対して求償することができます。(351条、372条)

⑥特殊な保証

1・共同保証(456条)

同一の主たる債務者のために数人の保証人が保証債務を負担することをいいます。この保証は、数人の保証人がおのおのの行為で債務を負担したときであっても、分割債務として、主たる債務額を保証人の人数で除した額を負担します。(分別の利益)

2.連帯保証(454条)

保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担する保証債務をいいます。連帯保証には、催告の抗弁権、検索の抗弁権はありません。また、数人が連帯保証人となっても、分別の利益はありません(判例)。連帯保証は債権者にとって有利なものといえます。

⑦主たる債務者および保証人(連帯保証人)に生じた事由の他の人への効力(457条、458条で準用する434条~440条)

1.保証債務

主たる債務者に生じた事由の効力は、保証人にも効力を及ぼします。保証人に生じた事由の効力は、弁済など債務を消滅させる事由のみ主たる債務者に効力を及ぼします。

2・連帯保証

主たる債務者に生じた事由の効力は、連帯保証人にも効力を及ぼします。連帯保証人に生じた事由の効力は、①弁済など債務を消滅させる事由 ②履行の請求 ③更改 ④相殺 ⑤混同などの事由によって主たる債務者に効力を及ぼします。なお、保証人(連帯保証人)には負担部分というものがないので、相殺(436条2項)、免除(437条)、時効の完成(439条)により生じた事由については、主たる債務者に効力が及びません。

 

 

 

 

保証債務について

保証債務とは、主たる債務と同一の内容を有し、主たる債務が履行されないときには、これを履行することによって主たる債務を担保する債務をいいます。

①保証契約

保証債務は、保証人になろうとする者と債権者との間の契約、つまり保証契約により成立します。債務者と保証人になろうとする者との契約ではありません。また、保証契約(根保証を含むすべての保証契約)は、書面でしなければ、その効力を生じません。(446条2項)                       保証契約は、保証人になろうとする者と債権者との間の契約のため、債務者の意思に反して保証したり、債務者から依頼を受けずに契約しても有効である。

②保証人の資格

債務者が保証人を立てる義務を負っている場合には、保証人は行為能力者であり、かつ弁済の資力を有する者でなくてはならない。(450条1項)ただし、保証人になる者を債権者が指名したときには、保証人の資格にはなんらかの制限はありません。(450条3項) したがって、債権者が指名した者が、制限行為能力者や弁済資力を欠く者であっても、保証人とすることができるので、債権者は、債務者が資格要件を欠いているからといって、変更を請求することはできません。

次の場合には、債務者が保証人を立てる義務を負います。

1・保証契約で定められている場合

2・法律の規定で定められている場合

3.裁判所の命令による場合

債務者の義務で保証人となった者が、資格要件で行為能力者の条件を欠いたとしても、保証人の効力に影響がないので問題を生じません。しかし、弁済の資力を欠いたときは、保証する能力がないので債権者が条件を備えた者に代える請求を債務者にできます。(450条2項)この請求にも応じられない場合には、他の担保に代えることもできます。(451条)

③保証債務の範囲

保証債務の範囲は、主たる債務者が負う義務の他、主たる債務から生じる利息・違約金・損害賠償額その他すべてのその義務に従たるものまで及びます。(447条1項) 保証人は、自己の保証債務についてのみ違約金または損害賠償額を債権者と定めることができます。保証債務は、主たる債務者が負う義務と別個独立した債務だからです。(447条2項)

行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取り消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合またはその債務の取消しの場合において、これと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定します。(449条)

 

人類の出現

1・人類の条件

人類は遠い昔類人猿と共通の祖先から分かれ出たものといわれています。どのような条件を備えたときに人類と呼ばれるのかを説明します。人類と呼ばれるにはまず、道具を制作できるかです。チンパンジーなどが棒などの簡単な道具を使うことはありますが、道具そのものを作ることはできません。道具の制作というのは、手の機能の発達を前提にし、さらに、生活における計画性を必要とします。これらは高度の知能を要求します。道具を用いることによって、人間の活動範囲が大きくなったといえます。もう一つの人類の条件としては、火の利用が上げられます。人類が火を使うことによって、食物を調理したり、寒さを防いだり、猛獣から身を守ったりすることができました。火の利用によって厳しい自然条件に打ち勝って、生存することができました。最後にもう一つ人類の条件としては、言語の使用が上げられます。言語の使用によって複雑で抽象的な事柄を相手に伝えることができるようになりました。また、言語の発生に伴って記憶力が生まれて、思考力も著しく発達しました。記憶力の発達によって、先人の経験や思考の内容が後人に伝えられ、それらが人間を互いに結び付けて社会生活を営むようにさせました。先人の経験や思考だけでなく、祖先から伝えられた文化を継承し、それを次の世代に伝えられるようになりました。                              以上の道具の使用・火の利用・言語の使用が人類の特徴です。

2・人類の発生

最古の人類が発生した地域とされるのはアフリカ大陸だといわれています。更新世に出現し活動した人類は、その骨が化石となって発見されているので、化石人類と呼ばれています。今日までに発見された化石には、①猿人類(アウストラロピテクス)、②原人類(ピテカントロプス)、③旧人類(ネアンデルタール人)④新人類(ホモ=サピエンス)の4つのグループに分けられています。

猿人が、最古の人類です。一見類人猿に似ているが、口の部分の突出が弱く、歯の様子も人類的です。すでに2本足で立って歩いていたらしいです。脳の容積が現在の人類の半分らしく、ゴリラと同じ程度のようです。猿人が登場したのが今から450万年~400万年前と推定されています。

原人は今から150万年前に、登場し、60~50万年前、第2間氷河期のころに活動したジャワ原人北京原人が代表例です。この原人あたりから火の使用が始まったとされています。すでに言語を話し、人間らしい社会生活を営むようになっていたらしいです。このころ人類の居住圏はアフリカ大陸を越えてユーラシア大陸の南部全域に広がりました。かれらは川の近くの丘の上や湖辺に住んでいて、洞穴に住むこともありました。原人の作った石器は、石核石器、剥片石器、打割石器の3種類が現れました。

旧人は今から20万年ほど前、第3間氷河期から第4氷河期の初期にかけて活動しました。代表例は、ネアンデルタール人です。旧人は原人よりも大きく、現代人に近いが、低い前かがみの姿勢などに原始性が残っているそうです。ネアンデルタール人が出現したときは、温暖な気候であったが、第4氷河期の時代になると岩陰や浅い洞穴に住むようになりました。かれらが住んだ洞穴の近くには、穴を掘って死者が埋葬されており、これは宗教的な活動の最古の実例として注目されています。今から8万年ほど前に、旧人は絶滅しました。

新人は現生人類ともいわれ、現在の人類の直接の祖先です。今から4~3万年ほど前、第4氷河期の途中に出現しました。代表例は、クロマニョン人です。このころになると住居が発達して浅い洞穴だけでなく深い洞穴にも住むようになりました。洞穴の中には絵画が描かれ、石器の制作も一段と進歩しました。更新世末期のこうした人類は、まだ陸続きであったベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸にも移動し、オーストラリアにも渡りました。

 

 

連帯債務について

数人の債務者が各自独立して同じ内容の給付全部を履行する義務を負担し、もしそのうちの一人が履行すると他の債務者全員も債務を免れる債務を連帯債務と呼びます(432条)

①連帯性

1.債権者は、「連帯債務者中の任意の一人もしくは数人または全員に対して、全部または一部の請求をすることができ」、「数人または全員に対して請求するときは、同時に請求してもよいし順次に請求してもよい」と定められています。(432条) 例えば、A(債権者)は、X,Y,Z(連帯債務者に)600万円の債権を有している場合、X、Y、Z各自に600万円請求しても、Xに300万円、Yに200万円,Zに100万円請求しても、X、Y、Z均等に200万円ずつ請求してもよいです。また、X、Y、Zに各自600万円ずつ同時にまたは順次に請求できるし、Xに300万円、Yに200万円、Zに100万円として、またX、Y、Z均等にした200万円を同時にまたは順次に請求できます。

2・連帯債務者の全員または一部が破産手続開始の決定を受けた場合にも、債権者は各破産財団に対して債権全額をもって配当に加入できます。(441条)

3・連帯債務者の一人について契約の無効・取消しをしても、それによって他の連帯債務者は影響を受けません。(433条)

②連帯債務者の1人について生じた事由の他の連帯債務者への効力(440条)

相対的効力絶対的効力があります。相対的効力は他の債務者には効力を及ばないものをいいます。絶対的効力は他の連帯債務者にも効力を及ぼすものをいいます。絶対的効力には以下の効力があります。

1.弁済

連帯債務者の一人が弁済すれば、他の連帯債務者も債務を免れます。

2.請求(434条)

連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても効力を及ぼします。

3.更改(435条)

連帯債務者の一人が更改すれば、他の連帯債務者は債務を免れます。

4.相殺(436条1項)

連帯債務者の一人が反対債権を有しながら相殺を援用しない間は、他の連帯債務者がその債権で相殺する場合には、反対債権を有する者の負担部分だけ相殺を援用できます。

5.免除(437条)

連帯債務者の一人が債務の免除を受けると、その者は免責され、他の連帯債務者は、免除された者の負担部分以外の債務を負います。

6・混同(438条)

連帯債務者の一人が債権者を相続したり債権を譲り受けたりすると、弁済とみなされるため、他の連帯債務者はすべての債務を免れます。

7.時効(439条)

連帯債務者の一人の債務が消滅時効にかかったときは、その者の負担部分以外の債務を、他の連帯債務者は負います。

③求償

1.連帯債務者の一人が債権者に弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分について求償権を得ることができます。(442条) 負担部分は、連帯債務者間の契約または受けた利益の割合で決めます。それでも決まらない場合には各自平等とします。

2.連帯債務者の一人が債権者に弁済したときは、事前の通知および事後の通知をしなければなりません。この通知を怠った場合は、他の連帯債務者に対する求償権の制限を受けることがあります。(443条) ただし、弁済の通知を怠った者が競合するときは、この制限は適用されません(判例)。

3・連帯債務者に無資力な者がいて、その者が自己の負担割合を償還することができないときは、原則として、求償権および他の資力のある者が、無資力な者の負担部分を分割して負担します。(444条)

 

 

漫画 君たちはどう生きるかを読んで

吉野源三郎が1937年に出した小説を2017年に漫画化されて出版された本です。原作小説は、最初は、新潮社から出版され、戦後になって語彙を時代の変化に合わせて平易するなどの変更が加えれて未来社やポプラ社、講談社、岩波書店から出版されました。この作品は、教養教育の古典として長く読み続けられているます。今回紹介するのは、その原作小説を漫画化された君たちはどう生きるかを紹介します。

話の内容

この作品の主人公は中学生であり、みんなからコぺル君と呼ばれています。学業優秀であり、スポーツも卒なくこなす子ですが、いたずら過ぎるために級長になれないという設定です。父親はなくなっているという設定です。そのためコぺル君の叔父さんがコぺル君にアドバイスすることが多いです。コぺル君が友人たちと学校生活を送るなかで、さまざまな出来事に遭遇したり、経験したこと、観察したものを叔父さんに話し、それを聞いたおじさんがコぺル君に向けて書いたノートで、コぺル君にアドバイスするのが基本的な話の流れです。原作小説ではおじさんが書いたノートの内容を載せていますが、漫画版でもノートの内容が文字で表現されています。

内容で印象に残ったこと

コぺル君の同級生に家が豆腐屋である浦川君という子がいつも弁当が油揚げであるためにみんなから「あぶらあげ」と呼ばれたりしていじめられています。同級生に裕福な子が多い中で彼だけが裕福ではない設定となっています。ある日浦川君が学校に来なくなりました。体調不良で休んでいるとのことでした。そこでコぺル君は、浦川君のお見舞いために、浦川君の家に行きました。しかし、浦川君は、病気じゃありませんでした。家の手伝いをしていました。浦川君の豆腐屋の従業員が体を壊して休んでいるので、浦川君が代わりに手伝っているとのことでした。家が裕福でない中、それでも苦労しながらも中学に行かせていることが判明しました。コぺル君がその事を叔父さんに向けてノートに書きました。叔父さんからの返事のノートで書かれた内容に印象に残った部分がありました。浦川君の家はコぺル君たちの家に比べたら貧しいが、それでもまだ貧乏でないとのことでした。なぜなら浦川君の家は貧しいといっても、息子を中学に行かせることができている。しかし、浦川君の豆腐屋で働いている従業員は中学に行けず小学校だけで学校をやめなければならなかった。また、浦川君の一家は、豆腐を作るための機械を据え付け、原料の大豆を買い込み、従業員を雇って、家内工業を営んで暮らすことができています。しかし、従業員の場合は、自分の労力の他に、なに一つ生計を立てていく元手がありません。一日中体を働かせて、それで命をつないでいます。体を壊すと働けなくなると餓死に追られます。この部分の内容は正に元手のある資本家と元手のない労働者の関係です。実際に浦川君のような家内工業の形で生計を立てることもできないのがほとんどです。だから従業員に比べたら浦川君はまだ、ましなほうであると読み取れました。資本家と労働者の関係を叔父さんがコぺル君にわかりやすく解説した内容と思いました。

漫画 君たちはどう生きるか

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