だまされたり、強迫を受けた場合の取り消し

①詐欺

売主Aが買主Bにだまされた場合は、Aさんを守ってあげるために

詐欺による意思表示は取り消すことができます。しかしAさんの取

り消し前に、Bさんが土地を、事情を知らない第三者Cに転売した

場合は、Aさんは取り消すことはできません。善意であるCさんは

保護されるべきと考えられているからです。だまされたAさんは落

ち度があったから善意の第三者であるCさんに対抗できません。

第三者Cさんが悪意である場合は、とり消すことができます。

②強迫

おどされて土地などを売ってしまった場合は、その意思表示を取り

消すことができます。強迫によって意思表示をしたときは、その取

り消しは善意の第三者に対しても対抗できます。また第三者が強迫

した場合は、契約の相手方が善意の場合でも取り消すことができま

す。強迫の場合は、詐欺とは違って、強迫された本人には落ち度が

ないので強迫された者を保護することを優先しています。

 

制限行為能力者の制度とは(3)

5取引の相手方の保護

制限行為能力者と取引した相手は制限行為能力者の保護の為に、

契約が取り消されるという不安定な状態になることがあります。

この状態の立場を解消するために、4つの制度があります。

①相手方の催告権

制限行為能力者と取引した相手方は、未成年者などに追認するの

かはっきりしてほしいと催告することができます。一か月以上の

期間を定めて、制限行為能力者側に催告します。

未成年者、成年被後見人に催告した場合は、確答の有無に関わら

ず催告自体が無効になるので法定代理人(親権者、保護者)に催

告する必要があります。法定代理人が確答しない場合は、追認し

たものとみなされます。法定代理人は判断できる立場なので確答

しないのは現状維持の立場をとっているみなされるからです。

取り消したいのならば確答する必要があります。

被保佐人、被補助人に催告した場合は、確答がない場合は、取り消

したものとみなされます。被保佐人、被補助人は、ある程度は判断

能力はあるので、直接に催告できますが、確答しない場合は、上記

の通り保護を理由に取り消したとみなされます。

逆に保佐人、補助人に催告した場合は、確答しなかったら追認した

とまなされます。

制限行為能力者が行為能力者になった場合で、催告したときは、確

答がなければ、追認したとみなされます。

②詐術を用いた場合

制限行為能力者が、行為能力者であると信じさせるために詐術を

用いた場合は、取り消すことはできません。人をだました者は保

護する必要はないからです。

③取消権の期間の制限

追認することができるときから5年、行為のあったときから20年の

いずれか早い時が経過すると、もはや取り消すことができなくなり

ます。

④法定追認

追認したわけではないが、契約の有効を前提にしたような行為をした

ときは、追認と同じ効果が生じるというものです。

法定追認と認められるのは、債務の一部または全部を履行や相手方に

履行を請求をした、取得した権利の一部または全部の譲渡した場合を

異議をとどめずに、これらの行為をした場合です。

 

 

制限行為能力者の制度とは(2)

2成年後見人

成年被後見人は精神上の障害によって事理を弁識する能力を欠く

常況にある人と定められています。物事がよくわかっていない、

重度の認知症の状態になっているというわけです。

家庭裁判所の審判を受けて成年被後見人になります。成年被後見人

には成年後見人が保護者になります。成年後見人は成年被後見人に

代わって、居住の用に供する建物または敷地について売却、賃貸、

賃貸借の解除や抵当権の設定などを処分するには、家庭裁判所の

許可が必要です。成年被後見人が契約などを結んだときには、取

り消すことができます。ただし、日用品の購入など日常生活に関

する行為は、取り消すことはできません。

保護者が同意を与えた場合でも取り消すことができます。成年後

見人には、同意権はありません。

3被保佐人

被保佐人とは、精神上の障害によって事理を弁識する能力が著し

く不十分な者と定められています。家庭裁判所による保佐開始の

審判を受けて被保佐人となります。被保佐人の保護者は保佐人に

なります被保佐人は重要な財産上の行為については、保佐人の同

意が必要です。財産上の行為とは、不動産や自動車などを得たり、

手放したりすることです。同意が必要なのに同意を得なかったと

きは、取り消すことができます。ただし、日用品の購入など日常

生活に関する行為は除きます。

4被補助人

被補助人は精神の障害によって事理を弁識する能力が不十分であ

る者であり、家庭裁判所の補助開始の審判を受けた者と定められ

ています。普通の人だが、物忘れが激しいから補助する必要があ

る状態の人というわけです。被補助人の保護者は、補助人と呼び

ます。被補助人が法律行為を行うために、常に補助人の同意が必

要というわけではありません。補助人の同意が必要な行為である

にもかかわらず、同意なしの行った場合には、取り消すことがで

きます。

 

 

制限行為能力者の制度とは(1)

民法には年齢及び精神障害の程度に応じて、未成年者、成年被後見人、

被保佐人、被補助人を制限行為能力者と定め、これらの者が単独でし

た行為を取り消すことができることにして、制限行為能力者の保護を

図っています。未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人の4つ

をしていきます。

1未成年者

20歳に満たない者と定められいます。未成年で結婚した場合は、成年

になったとみなされます。未成年者の保護者は、親権者か、未成年後見

人です。未成年者自身が契約を結ぶには、保護者の同意が必要となりま

す。未成年者が単独で契約をした場合は、原則として取り消すことがで

きます。ただし未成年者が①単に権利を得または義務を免れる行為、

②法定代理人が処分を許した財産処分の財産行為、③許可された営業に

関する行為の3つをした場合は取り消すことができません。

契約を取り消すことができるのは、未成年者本人、法定代理人、能力者

になった本人です。

 

 

民法の基本原則

宅建の勉強をしている時に民法の基本原則というのがありました。

1所有権絶対の原則

所有権の行使は、所有者個人の自由に任せ、他人や国家が干渉をしては

いけないというのが原則です。しかし、社会に害悪をもたらすことを防

ぐためにある程度は規制をうける必要があります。民法1条1項では、私

権は、公共の福祉に適合しなければならないとし、民法1条3項では、権

利の濫用は、これを許さないとして一定の規制を定めています。

2私的自治の原則

私法上の法律効果の発生は権利主体である人が、独立かつ自由な意思に

基づく法律行為により決定できる原則であり、契約自由が原則です。

しかし、経済的弱者の救済のために契約自由の原則が規制されることが

あります。

3過失責任の原則

他人に損害を与えても、故意または過失がなければ損害賠償責任を負わ

ないのが原則です。しかし経済発展に伴って大企業が出現するようにな

ると個人に危険を与えることが出てくるようになると過失がなければ賠

償責任を負わないという原則ではいけなくなるので、過失がなくても損

害賠償責任を負うべきという無過失責任が採用されるになりました。